ハンネサルホルトへようこそ。ハンネサルホルトはアイスランドの初代首相、故ハンネス・ハフステインが住まいとしていた歴史的建造物に拠点を置く非営利団体です。ハンネスは1904年デンマーク国王に交渉し、アイスランドにおけるデンマーク領主の代表として、アイスランド初の内閣総理大臣に任命された人物です。Grundarstigur 10の建物はそのハンネス・ハフステインの自宅として1915年に建設されました。アイスランドの首都レイキャヴィクに初めて建てられた15棟ほどのコンクリート・ハウスのひとつで、人口の半数以上が芝拭き屋根の家に住んでいた当時のアイスランドとしては画期的な家でした。その建造物の復活を祝い、アイスランドの重要な文化財としてみなさんと分かちあいたいと願っています。
ハンネス・ハフステインは多くの偉業を成し遂げました。アイスランド初の内閣総理大臣であり、デンマーク国王に直接話ができる人物であったことに加え、彼は常に国民を刺激し喚起して、サガの時代の栄光を取り戻し、よりよい未来のために袖をまくって民衆を牽引する詩人でした。
ハンネス・ハフステインは生涯にわたり、母親、妻、義理の母親、姉、妹、娘、婦人参政権運動家の同志など、素晴らしい女性に囲まれて過ごしました。そして1911年、アイスランドの女性に参政権をもたらす立役者となりました。
また、20世紀の変わり目に彼が書いた詩に「文化は新たな開拓の森に栄える」という一節があります。それはまさにハンネサルホルトのことでしょう。「ホルト」とは森の意味で、ハンネサルホルトを訳せば「ハンネスの新しい森」。ハンネスにより開拓されたこの家は、文化栄える森なのです。
ハンネサルホルトのオーナーはアルノル・ヴィキングソンとラグンヘイヅル・ヨンスドッティルの夫婦と、彼らの子供達のフラフンヒルヅル、ヴィキングル・ヘイダル、マリネラとヨン・アグストで、彼は崩れかけていたGrundarstigur 10の建造物を購入して改修工事を行った後、 、そこを一般に解放することにしました。彼らの夢は非営利団体であるハンネサルホルトがこの家を通して、アイスランド人が近代化に急ぎすぎることを顧みるきっかけを作り、アイスランド人であることのルーツを育み、アイデンティティを養い、自分が誰であるかを再認識する場を提供することです。私たちに富はもたらされましたが、それは間違ったところで使われました。それでもなお私たちには、豊かな文化を取り戻すチャンスがあります。
歩む速度をゆるめ、内面を見つめ、ルーツを再認識し、自分の芯・根本が何であるかを自覚しようーーそんなハンネサルホルトの試みに共感する方は、ぜひお立ち寄りください。アイスランド人である必用はありません。ハンネス・ハフステインは海外からの「新鮮な息吹」を大切にしました。ハンネサルホルトの私たちも同じです。
改修工事・再構築のプロジェクトは完了し、ハンネサルホルトの一階にはカフェがオープンしました。午前10時から午後6時までの間、伝統的なアイスランド料理や、海外からの「新鮮な息吹」の味覚でおもてなし致します。3階、4階は小規模なミーティング、勉強会、講演会、演奏会等にお使いいただけます。裏庭には音楽会にも最適な集会場を新たに設けました。また、隣には文化センターであるハンネサルホルトにお力添えをいただけるパフォーマーや専門家のゲスト用のアパートもご用意もあります。 ハンネサルホルト